「市長に物申す会」に参加しそして日本人外交官姿に感心した

 今日は市から招待を受け、外国企業の一代表として「市長に物申す会」に参加してきた。大手の社長に混じり、外交関係者もおり、会場は80名ほどだろうか?その中に日本人は2人でバルセロナ牧内総領事と私だけであった。そういえばデュッセルドルフ(DUS)では市長が日系企業との懇親会を年1回実施し、よく話を聞いてくれるとのこと。日系企業はDUSの10%の経済規模を作り出しており、両者の関係は良好とのことだ。この話の素晴らしいことは、経済規模がないときから会話があったことで、そのためにドイツの日系企業は頼れるDUSということで、そこを拠点にしたらしい。いい話でしょう?

 さて市長からの説明が終わると、ご意見伺いになり、参加者がどんどん発言していく。前置きの長い人もいれば、ポイントのない人もいる、そして非常にまとまった発言をする人も勿論いる。提案をする人、意見を聞きたいという人、それぞれが言いたいことを発言する。この辺りは非常に外国的だ。経済効果対策が主なテーマであったが、一際ユニークかつ優れていた発言をしたのはひいき目に見てもバルセロナ牧内総領事だ。具体案を提示し、バルセロナの競争力向上を一緒に行い、日本国の予算を使えるようにしようとというのがテーマだ。


http://www.pressdigitaljapan.es/texto-diario/mostrar/413244/museu-matemtiques-catalunya

 今回領事が上申していたのはこの記事に関係がある。数学力を高め、数学者を作り出し将来に備え、そして発展途上国の発展を国の予算を使ってサポートするのが基本案だ。

 将来数学が必要なる職場は70%になる。バルセロナには素晴らしい数学博物館があるが、予算がない。これを市がサポートし、もっと活性化することにより、バルセロナにおける数学を発展させ、数学に強い人材を育てていこうということだ。考えてみるとこれはまったく理にかなっていて、良いアイディアと思う。その上バルセロナにある数学博物館は超一流とのこと、ベースがあるのだから、ジャンプアップは可能だろう。

 スペインの初等教育時の数学教育は確かに弱い。子供たちとモノポリーをやると、両替ですでに大混乱となる。公文で育った自分にしてみると、その現実は「やはりこの人たちは他の分野に向いている」と思いたくなってしまう。逆説的には彼らの性格に数学が加わったら、無敵になるのではと思う。ポテンシャルは非常に高い。牧内総領事が目指すところは、なにもスペインだけでなく世界中に対する指針でもある。数学やロジックの学習が大事になるのは間違いない。

 しかし今回もっとも伝えたかったことは、その考えではなく、バルセロナ牧内総領事の姿だ。発言をしたい人が多いなか、確実にそのチャンスを掴み、発言、会の前後には関係者を捕まえて話していることだ。特に会終了直後に市長を捕まえに行く姿には正直心を打たれた。積極的で活動的であり、実行力がある。これはなかなか出来ることではない。Confort Zoneから積極的にでようという姿勢が伝わる。外交官の真の姿を知る機会は全くないといって良いが、この姿をみると非常に安心することが出来た。今日は日本人が2人しかいない会場ゆえ、領事の真の姿を見たと思う。総領事をますます応援したくなった。






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