カタルーニャ独立投票2日後

 今日は2017年10月3日です。投票から2日経ちました。まだ独立宣言は出ていません。前回の記事のblogger上で4桁のPVを超えました。バルセロナのテロ時も同じように4桁を超えたました。ゼネストが本日実施されているので、追加でその後をお伝えしようと思います。

 私はバルセロナに住んでいますので、当然地元の影響を受けています。それは反対派そして賛成派の両方を含みます。但し、思想の激しい人種の友人はいませんので、極端な派の影響は受けていないと思います。いつも思うのですが、多少熱くなる人は人はいますが、皆さん極めて論理的に考えを説明してくれますので、地元とスペインの理解に役立っっています。

 ニュースだけを見ると、違法と暴力そして独立のキーワードが目立っているようです。私の目には葛藤、情報戦そして民族分立が見えます。ですので、後者に限ってここでは話したいと思います。

 まず葛藤ですが、司法機関には暴力反対派もいるように見ます。また、反対派から独立派に変わった人にも本当によかったのか不安がっている人もいるように見えます。そしてスペインという将来に決定的な疑問を投げかけた人もいます。ソーシャルで拡散中の動画にはおもしろものが数多くあります。ここでいう警察というは、スペインに存在する複数の警察機関を指しています。

 警察の車同士が民衆の前で衝突事故を起こす


 今回全国から派遣されてきた警察官は地元出身を除いて派遣されたと言われています。そしてこちらの動画は役目を終えて引き上げる警官隊です。彼らが民衆から攻撃されることはないのですが、どう見ても勝利者の顔には見えません。寂しいそうに見えます。


 こちらは100人ほどの村に派遣された警官隊。おじいちゃんとおばあちゃんの村です。9時5分には投票が全て完了して、投票箱も回収された後にかなりの人数の警官がきています。彼の顔を見ても、緊張ありますが、場所違いにきた営業が、一様営業のふりをして帰るみたいな感じに見えます。


 この動画を見て「アホな警官隊」と思う人もいるでしょうが、私はそうは思いませんでした。誰かが安全に投票が実施されて、そして警官隊も任務を遂行できるようにしたとしか思えないのです。市内では早朝の6時から衝突が始まると事前に知っているわけですから、こんなにのんびりする必要はないのです。

 次の動画はカタルーニャの警官組織が、民衆に向かって敬礼をしていますね。これは、民衆の歌に対して敬礼しているのです。前回も動画を載せましたが、暴力的な対応をする他の警察組織に対して地元警察は住民を保護する対応をしています。事前に警察組織間で話し合いが行われ、法に示された行動をするとのことでしたが、地元警察が無抵抗の地元民に対して手を上げることはできない訳で、ここにも葛藤がありますね。


 では次のテーマの情報戦に移ります。メデイアの修正がその手法になりますが、可愛いレベルだと、こんな冗談がありました。
スペイン国の紋章からカタルーニャの部分をとり、広告募集中としてある

 笑えますね。もう少し上手なイメージだと、これ。明らかにフォトショップですが、そうでないと信じる人もいるでしょう。

 今日はゼネストでしたので、あちらこちでデモがありました。この動画に出てくるマッチョマンは独立派の服装をしていますが、実は私服警官。2人組ですが、周りの人に見つかって、出て行けと言われています。私服警官は投票日にも多く参加しています。情報戦としては当然なのでしょう。が、もう一歩考えると、彼らが衝突のきっかけをわざと作っても、不思議ではない訳です。こうなると映画の世界です。

 一般のメデイアはどうかと言うと、予想をしていましたが、現実ははるかに超えていました。

 例えばテレビですが、「警察は「力なし(暴力なし)」で投票を阻止した」と「法への挑戦」と言う題名の下にテロップを流しています。中央テレビ(複数)では当日の内容は殆ど放映されないか、極端に歪曲された形で放映され、ジャーナリスト自身がTV局幹部の退陣を要求したりしているようです。

 メデイア操作に関しては、前回でも述べたように、操作が前提ですから、それ自体は各人の好みとしても、現実に起きていることを、なかったように振る舞うのは無理があると思います。ネットがあることが本当によかった思います。

 最後の民族分立ですが、これはとても悲しいことです。欧州では戦争を通じで民族分立が約20年前にありました。今回は死亡者は出ていませんが、同じ国内でこのようにして対立感情を煽るような行動を国政がリード(現政権だけではありません)しているは、失望します。このようにして独立運動が目立つような前、すなわち独立派が10%ぐらいの時は、異端児でした。田舎に行くと、カタランワールドがあって、グレた若者たちが、そのような行動に走っていたり、時たまあった小さな暴動の犯人がその集団だとか、そんな感じだったのです。誰も独立したいなんて言ってなかった。文化背景が違う、歴史をひきづっているとかあったけれど、なんの問題もなかったのです。が、今はそうではないです。カタラン人は独立したいと思っている人がいるけれど、そうでない人もたっぷりいる(いた)訳です。今では全て一緒になってしまった。カタラン人は独立したいと。身内で争っている限り、勝利(未来)はないです。

 現状考えられる解決策ですが、政権末期と言われているにもかかわらず、議会を抑えている現行政権が、今まで通り話会いに応じることはないでしょう。 EUの仲介が平和的且つ現実的ですが、具体的な大きな事件がない限り、具体的な行動は起こさないでしょう。と言うことは、独立宣言をして、中央政府から締め付けを受けて、いかなる行動を起こしても、また締め付けを受けると言うパターンが続き、民族分立がますます進むことになると思っています。世界的な観光大国であるバルセロナ、それをアピールし、重工業のあるカタルーニャは経済を国際社会にますます求め、独立を望み続け、外交と言う外堀を徐々に埋めていき、最終的には独立かそれに近いステータスを勝ち取るのではないかと思います。このこの人たちは我慢強いのです。そしてスペイン議会ではスペインの民主主義の名に置いて起きたことは許せれないと声を上げる議員もいることを、きっちりと述べたいと思います。

追記:ポストした直後に今夜9時から国王が国民放送をするとのNEWSが入ってきました。解決の第一歩になるといいですね。





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