どのようにしてスペインでトレイニーを探すのか?

 トレイニーという制度は日本ではあるのでしょうか?ここスペインではトレイニーは企業にとって非常に大事な制度である事は間違いありません。またトレイニーは学生にとっても実際の社会経験を得る貴重な機会でもあります。今回はトレイニーをどのようにして獲得するのか、説明します。

Do we have a trainee hiring system in Japan? I'm not so sure. I've heard that very few companies offer it now. Instead here in Spain, the trainee system has been well established and it works well for the companies and students. It matches for both needs. The objective of hiring trainees from the company's point of view is that they are cheap(so sorry to say that) and they can be qualified-future employees. From the students, they can learn, they can find whether the industry selected meets what they want and the experience can be filled in their CV. So how can we get them? I'm going to show you how.


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最初にすべき事は、Job Discriptionを明確にする事です。できる事なら、具体的にどんな1日が待ているのかを記載するのもいいと思います。こちらの学生は日本と異なり、意見をはっきりと持っているケースが多いです。不明確な指示は嫌いますし、日本のように言わなくてもわかる事を期待するのは間違いです。Job Discriptionは例えばLinkedInのJobセクションで良い例が見つかるでしょう。利用する言語は、英語が必須であれば、英語で記載することにより、選択作業を簡略化することが出来ます。これはスペインに限ったことではありませんが、英語が出来ないのに、出来ると言ってくるケースは少なくありません。Job Discription(以下 JDとします)のリクエスト事項は優先度の高い方から記載するのもコツです。これは職に対するイメージを明確にすることを手助けします、面談時の内容確認時もより正確に内容を把握することができます。JDにおける会社や事業説明ですが、大手ですとブランド力が物を言います。そうでない場合は将来性や魅力性のあることを強調し、WebやLinkedInへのリンクを記載するといいでしょう。購入者の60%以上がネットを調べる時代ですから、優秀な人材を探す場合には、この種の準備をした方がいいでしょう。それとWork Permissionについての立場を明確にした方がいいですね。学生はVisa無しでTraineeとして働けますが、その後の雇用を前提とした場合、Visaの取得作業があると、実際の就業が不可能な場合があります。これは時間損失が非常に大きな失敗ですので、一時雇用か、それとも将来的な従業員としてのTraineeなのかをはっきしておく方がいいでしょう。そして最後に就業時間とお給料を決めておきます。就業時間は半日、や終日があります。また学生は授業がありますので、柔軟に対応する必要があります。お給料は500-1000Euroでしょうか。これは大学や人事担当者が数値を持っているので、聞けば見当がつきます。

 これらが決まると、大学や教育機関の担当者に連絡を取り、JDを渡します。担当者は比較的に簡単に見つかります。大学に電話するのもよし、LinkedInで直接見つけるのも良いでしょう。LinkedInではグループを利用したり、個人の特定をすることが出来ます。仮に該当者が見つからないようでも、連絡を取れば繋いでくれる可能性は非常に大です。なぜならこれらの機関にとってトレイニー先を確保できるのは、生徒とその父兄に在学の価値を示すことができるので、彼らも積極です。一流のMBAからのトレイニー獲得も勿論可能です。一例ですがCarolina SerranaはUICのトレイニー担当です。彼女のプロファイルを見るといくつかキーワードが見つかります。彼女は紹介を受けてたどり着くことが出来ました。彼女のプロファイルにKey wordが含まれていれば、直接見つけることが出来たでしょう(リンクトインでのKey wordの設定については、いつか説明したいと思います)



 連絡が取れたら、求職の概要を説明します。直接会うか、Video Callどちらでも良いと思います。生徒にとって魅力のあること、将来性のあるTraineeのポジションであることを説明すると良いでしょう。彼らはしかる場所にポスティングをするのですが、個人的に事前面談等をしているケースもあり、少しでもターゲットをお互いに絞ることが出来ると良いと思います。

 その他、一般サイトに募集をかけるのも良いのですが、私の経験では、Traineeに関しては上手く行きません。Traineeというのは会社と大学が提携して、社会保障料の低減や適性(低)賃金による、就職の機会提供という目的があります。ところが、一般サイトですと、とにかく、CVは集まるのですが、募集内容と一致しないことが多く、またCover Letterの質も低いので、時間の無駄になります。ですのでTraineeであれば、教育機関との直接のやり取りが最適だと思います。

 私の場合は、いくつかの教育機関で授業をしているので、人材に当てをつけることが出来るケースがあります。その場合は直接本人連絡をとり、本人から大学の該当担当者に繋いでもらいました。授業を通じで、パフォーマンスの確認は取れているので、採用の安全性は非常に高いと言えるでしょう。実際にこの方法は非常に優れていると思います。懇意にしている学校関係者が入れば、聞いてみるものもいいでしょう。本人を知って入れば期待値は実際値に近いものですし、相手も自分の事を知っているので、お互いのフィーリングは確認済みです。採用に関しては私はよくやり方が分かっていませんでした。ところがGeoff SmartRandy StreetWhoという本を繰り返し読むことににより、随分と良くなりました。例えばですが、給料ではなくて、仕事の内容、将来性、そして満足感で求人するのです。偶然私はその採用方法をとっていたのですが、それは私自らの経験によるものでした。しかしながら、もっと科学的なアプローチがあってもいいのではと思っていたところ、この本に巡りあえることが出来たのです。

 採用は非常に手間暇が掛かります。ですので、Qualified candidatesが非常に大事なわけです。日本での面接では、Feeling重視となりますが、ここではそれは大きな間違いです。パフォーマンスの確認をしっかりしないと、後の費用と時間喪失は大きなものです。採用時に期待値やパフォーマンスが理解し合えれば、入社後の教育はスムースな可能性が高いです。この辺りは経験が物を言います。

 採用希望者の事前チェックにはLinkedInとFacebookを利用するといいでしょう。またカバーレターの入手は大事です。採用希望者の数が少ない場合は、カバーレターの書き換えをリクエストした事があります。書き換えてくれば、再度作業を進めますが、大抵は送ってくる事がありません。カバーレターの書き換えによって、求職内容を真剣に検討して貰えればいいのです。カバーレーターを書いたことがある人は分かると思いますが、盲目的なLove letterを書くような物です。従って、こだわる必要はありますが、検討者母数が少ない場合は、このくらいの柔軟度を持ってもいいと思います。プロファイルチェックのためのLinkedInは学生にとってはまだまだの分野で、彼らにとっては理解度は一般的に低いのですが、時々ビックするような素晴らしいケースもあります。私が行う授業では、分野に関わらず、少しだけでも時間をとってPersonal Brandingの重要性について説明します。「人生を変える」と。従ってLinkedInを準備することの重要性について特に強調します。教育機関ではすでにこの重要性に気が付いて、授業をしているようですが、基本的にはまだまだです。但し、この流れは非常に早いので、数年後に大きく変わっている事でしょう。

 採用してみると、様々事がわかります。もし上手くいかないようであれば、大学に連絡を取り、解雇の理由を説明します。そうする事により、次回の採用活動を助けてくれる事でしょう。その後本人にも通知します。この辺りは現地スタッフと相談の上、現地スタッフから説明してもらった方が、正確に伝わる事でしょう。誰も解雇の知らせは好みませんが、理解し合う事が出来れば、無用なトラブルを防ぐことが出来ます。

 簡単ですが、このような形でトレイニーを採用することが出来ます。皆さんはどのようにトレイニーを採用していますか?国や企業によって方法やポリシーが違うことでしょう。トレイニーを低賃金労働者として捉えるのか、適用判断期間として捉えるのか、それとも両方の目的なのか、皆さんのご意見をお待ちします。


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